今月の栞 2012年10月 平部やよい先生 (電子オルガン)

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  ドン・セベスキー [著]
『コンテンポラリー・アレンジャー』
エー・ティー・エヌ 2006
      小さい頃から、クラシィックもジャズもロックやポップス、邦楽、なんでもジャンルの別け隔て無く、「いいものはいい!」と、色々な音楽を聴いていました。オイストラッフの奏でるブルッフのヴァイオリン協奏曲、フォーレのレクイエム、クイーンのオペラ座の夜、チックコリアのスペイン、武満徹のノベンバーステップス 等。ですので、ジャンルで音楽の質を決めつけてしまい、偏見を持った人に出会うと「ああ、この人は一生この素敵な音楽に耳を傾けずに終わってしまって気の毒に」と思ってしまいます。
   作曲・編曲を志す人なら読んでいなければ!というこの本は、それに留まらず演奏家も知っておくべき本です。それは、作曲家がどういう意図でこのオーケストレーションを選択 したのかを理解するのにもとても役立ち、クラシィックの枠を超えた響きも参考音源から 聴き取れ、そこから世の中に流れているあらゆる音楽を理解することへの糸口をも広げてくれる中身の濃い本だからです。
   当時、ミュージカル映画「ハロードーリー」のオーケストラの響きに魅せられ、辞書のように部厚いscoreを船便輸入でやっとのことで手に入れました。ところが、残念ながらピ アノ伴奏にアレンジされたものでピアノ譜を読みながら頭の中でオーケストラを鳴らして いました。それからさらに、どうしてもオーケストレーションを勉強したくなり、親に頼んで買ってもらったのが中学二年の時で、今でも鮮明に覚えています。分厚く高価な書物をやっと手に入れた感があり、必ず手を洗ってから大切に大事にソノシートを扱いながらも、何回聞いたか分かりません。その上で、新譜のオーケストラのスコアを見た時にも音が頭の中で鳴るようになれば、シメタものです。さらに、一段譜を見ただけで他の声部が頭の中で編曲され鳴るようになれば、鬼に金棒 !
   さあ、読んで、聴いて脳内を沢山スパークさせましょう!!
 

  図書館員からひとこと