今月の栞 2012年7月 駒沢とみ子先生 (ピアノ)

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  エーリヒ・ケストナー 作
『飛ぶ教室』
岩波書店 2006
      これは子どものための作品です。ギムナジウム(ドイツの9年制高等学校)の少年と先生達のクリスマス前後の日々が描かれています。ケストナーの名作ですから読まれた方も多いことでしょう。
   友情、先生との結びつきを中心とした少年達の物語は数多くあります。主人公達はいつも、時代や家庭や自分の能力の桎梏に抗って飛び立とうとしています。その中で、「飛ぶ教室」がひと際印象に残るのは、作者自身の苦しい生い立ちに基づいた真摯な語りかけがあるからです。飾らない原型がかえって力を持つ。そう感じます。
   小学生の頃から何度も読んでいますが、心が揺すぶられるのは少しも変わりません。むしろ大人になってからの方がずっと! 自分が嫌いになったり、傷ついたり、訳もなくつまらなかったり、そんな時にこの本を手にしてきたように思います。そして必ず温かく励まされる。
   また、気付いてみると、禁煙さんや正義先生の姿は教師としての私に多くの示唆を与えてくれています。

  図書館員からひとこと