今月の栞 2010年12月 星野明子先生 (ピアノ)

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  フルトヴェングラー〔著〕
『音と言葉』
白水社 1996
   小さい頃から活字が大好きで、小学校低学年から読んだ本は必ず読書感想文を書いていた。それが高じて物語、小説を書くのも好きだった。いつの間にかその小説の主人公になり空想を巡らせて、自分の練習しているピアノ曲とリンクさせて涙したり舞い上がったり…子供用の文学全集には飽き足らず、中学生の頃から父親のシェークスピア、トルストイ、ゲーテ、三島由紀夫、夏目漱石等の全集を片っ端から読んだ。
 高校に入学してから、先生に勧められてフルトヴェングラーの『音と言葉』、『カザルスとの対話』、『真実なる女性—クララ・シューマン』『ドビュッシー評論集』『ギーゼキング』等音楽関係の本を夢中になって読んだ。
 これらの本は今読み返しても新たに得るところが大きい。
 この中から、今日は『音と言葉』Wilhelm Furtwängler : Ton und Wortについてご紹介したい。単行本で白水社から出版されている(芦津丈夫 訳)。
 手軽に新潮文庫(芳賀 壇訳)でも読めるのでありがたい。
フルトヴェングラーは、ベートーヴェンの演奏には「音の言葉」と「魂の言葉」の両方の「間の」合一が大切、バッハはそれ自体の中に完全な調和をもったメロディとハーモニーとリズムによる格調である 、と説いている。
 作曲家、演奏法、そして何より大切な音楽の心、深さについて語っているこの本を読むと、何度読み返しても心に引っかかる言葉に気持ちがシャンと真っ直ぐになり心がゆさぶられる。


 
  図書館員からひとこと