今月の栞 2010年10月 酒井美恵子先生 (教職科目)

KS00003

  新川和江著
『詩が生まれるとき』
みすず書房 2009
    中学生の時、「わたしを束ねないで」という詩に出会いました。国語の授業でしたが、この詩を味わっている間は、教室にいるのにまるで違う景色の中にいるようでした。「目には見えないつばさの音」を繰り返し想像したり、自分自身は何かに束ねられているだろうかと考えたりしました。中学校の音楽科の教員になって、他校の研究授業で、「名 づけられた葉」という合唱曲に出会いました。はじめて聴き、やはり教室にいるのに違う景色の中にいました。そして、「わたしを束ねないで」を思い出しました。
 この二篇は新川和江さんという詩人が作った詩です。力強く別世界へ連れて行ってくれる言葉の力をもった人です。その詩人が2009年に“詩作の秘密”の本 を出版なさったので、すぐに購入しました。一篇の詩やテーマと関連した短い文章が数ページにまとまっています。その数ページを読むだけで、旅をしたような、小説を1冊読んだような気持ちになります。
 言葉で世界や心を表現する詩人というプロフェッショナルのすごさをぜひ味わってください。

 
  図書館員からひとこと