国立音楽大学附属図書館 Kunitachi College of Music Library

資料の探し方Q&A:2003年10月

声楽のカデンツァの楽譜が見たい。

資料の種類は楽譜を選びます。

件名:vocal music cadenzas

解説
件名"Vocal music--Cadenzas"「声楽曲--カデンツァ」で探します。
ちなみに、この検索により、探せるもので最も利用度が高いのは、Ricciのカデンツァ集、次いでLieblingのカデンツァ集です。

通称「Ricciのカデンツァ集」は、正式にはRicci, Luigi編の"Variazioni-Cadenze per Canto"と言い、4巻で構成されています。内容は、第1巻:女声、第2巻:男声、第3巻:女声、男声、重唱、第4巻:ロッシーニのヴァリアツィオーニとカデンツァとなっています。この「カデンツァ集」、元々Ricordi社刊行のオペラ楽譜のための「カデンツァ集」として発行されたものなので、カデンツァ一般に応用しようとするとかなり限界があります。時には「こんなものもないのか」とがっかりさせられたり、CD等のカデンツァと違うと言う場合も少なからずあります。幸運にも、このカデンツァ集で探し当てたとしても、それは数あるカデンツァのほんの一例に過ぎないという点を是非ご理解ください。実際に使用できるか否かは、やはり詳しい先達(先生、指揮者、先輩オペラ歌手等)の判断を仰ぐ必要があり、参考例として適切に用いられてこそ、このカデンツァ集の現代での利用価値があるのだと思われます。

一方「Lieblingのカデンツァ集」(正式名称:The Estelle Liebling book of coloratura cadenzas, containing traditional and new cadenzas, cuts, technical exercises, and suggested concert programs / compiled arr. and ed. by Estelle Liebling)は、コロラトゥーラのためだけのカデンツァ集なので、利用できる人は大変限定されます。その代わりコロラトゥーラの人にとっては、オペラに限らずコンサート・ピース等まで広く収載されているのでとても便利な楽譜集と言えます。

もうひとこと

イタリア語で終止の意味をもつカデンツァは、協奏曲の楽章やアリアの終わり近くに挿入される技巧的なパッセージのことで、作曲者自身によるものや、他の作曲家、演奏者によるもの等様々な版があります。特にオペラのカデンツァは、コロラトゥーラに代表されるように、華やかさを演出し、哀切を強調して、長いフレーズを歌う女声向きのものや、短いもののしっとりした情感や重厚な感情を歌い上げる男声向きものまで、上手く歌われた場合には、「アリアを聞いた!」という満足感を聴衆に与える重要な技法なのです。尚、「Ricciのカデンツァ集」は総合索引もなく、目指すカデンツァを探すのが難しいので、お困りの際は、「平野あゆみ・河合和恵編 ”Luigi RICCI / Variazioni-Cadenze Tradizioni per Canto (index series)”」<MLAJ Newsletter, vol. 7, no. 5, 1986, p.16-25>(請求記号:P0887 7(5))を併用すると、作曲者や曲名から、4巻全てを探すことができ、大変便利です。(この索引はメインカウンターにも常備しています。)

(2003/10/27)