研究紀要 50 (2015) 請求記号 = [PB102 50]

著作者 槌谷 智子 ( Tsuchiya Tomoko )
タイトル 語り継がれるもの その4 : パプアニューギニア・フォイのクラン起源神話
( Things handed down Part 4 : The Clan Origin Myths among the Foi in Papua New Guinea )
ページ 103-114
本文の言語 日本語
キーワード 神話 / クラン / フォイ / パプアニューギニア
抄録  パプアニューギニアに暮らすフォイのクラン起源神話は、クランの名前の由来、自分たちがどのように創られたのかを語るものである。各親族集団と関係の深い動植物はアカと呼ばれている。人間と動植物の間には、絶対的な境界があるのではなく、神話の中では人間が動植物に変身したり、動物と人間とが結婚したりする。西欧的な動物対人間の二項対立的な思考ではなく、動物と人間との連続性、あるいは相互の融合による生成という観念が見出される。自分たちの起源という深淵なる問題は、神話や口頭伝承によって、過去から現在、現在から未来へと引き継がれ、フォイの人々の中で共有されていく。神話は、始祖から現在へとつながる人間の縦軸の絆を具象化してくれる。と同時に、同じ絆を持つ同時代を生きる人々の共有意識をかき立てる。個々の祖先の名前は忘却されていくが、クランのアカとかかわりのある人物、クランの由来に関連する出来事は、神話の中で生き続け、記憶され続けていく。そうした記憶によって、集団の意味と永続性が担保され、確認されていくものと解釈できる。