研究紀要 49 (2014) 請求記号 = [PB102 49]

著作者 佐藤 岳晶 ( Sato Takeaki )
タイトル 「声の文化」オラリティーに生きる音楽を求めて ─長唄三味線 今藤長龍郎師の稽古の考察から─
( Reconsidering Orality in Music : an analysis of a Nagauta Shamisen lesson by Master Imafuji Ch?tatsur? )
ページ 25-36
本文の言語 日本語
キーワード オラリティー(声の文化) / 今藤長龍郎 / 長唄 / 三味線 / 稽古
抄録   本稿は、音楽における「声の文化」オラリティ―についての試論である。W-J・オングの著書『声の文化と文字の文化』に触発されつつ、「文字」=楽譜のリテラシーを基盤とする現行の西洋音楽とは異なる、「声」=音声を主とするオーラルな営みを残す近世邦楽の伝承について省察した。事例研究として、長唄三味線方の今藤長龍郎師が、師の今藤綾子師から受け継いだ稽古法を考察する。それは、譜本を用いず、師弟が対面して行う稽古とその録音を通し、ひたすら師を見、その音を繰り返し聴き、記憶に刻むことで曲を習得して行くものである。筆者は、同師の稽古を実際に体験する中で考察を深めた。そこには伝統的なオラリティーが生き続けると同時に、録音音声に補完されるなど、現代の技術環境に即した変化も見られた。オングに倣いこれを「二次的な声の文化」と捉え、長龍郎師へのインタビューなども通し、現代におけるその「声の文化」の継承と今後の展望について考えたい。