研究紀要 48 (2013) 請求記号 = [PB102 48]

著作者 宮谷 尚実 ( MIYATANI Naomi )
タイトル 詩編第4編第5節における「沈黙」の意味 : ルターとハーマンの場合
( Die Bedeutung von „Schweigen“ im Psalm 4, 5 bei Luther und Hamann )
ページ 145-149
本文の言語 日本語
キーワード 言語論 / 沈黙 / ハーマン / ルター / 詩編
抄録  本稿では、旧約聖書詩編第4編第5節に見られる2つの「沈黙」に着目し、マルティン・ルターとヨハン・ゲオルク・ハーマンの解釈を比較検討する。この箇所に現れるひとつ目の「沈黙」は、第4節の最後に置かれた語「セラ」であり、もうひとつは共同訳聖書では「沈黙に入れ」と訳されている、本文中の表現である。ルターにとって、「沈黙」は否定的な空虚を意味してはおらず、むしろ神のことばに満たされ、聖霊が働く場としてとらえられている。ハーマンも同様に、彼の初期の著作『あるキリスト者の聖書考察』で、この詩編における「沈黙」を無音ではなく「心の声」を「傾聴」することだと解釈している。この解釈は、ハーマンに特徴的な「神のへりくだり」という神学的思想に基づいたものである。