研究紀要 47 (2012) 請求記号 = [PB102 47]

著作者 中畑 邦夫 ( NAKAHATA Kunio )
タイトル 「自己」への「距離」、「美」への「距離」 ─坂口安吾の日本文化論─
( A Distance to ‘Self’ and ‘Beauty’  ─On the Theory of Japanese Culture by Sakaguchi Ango─ )
ページ 45-52
本文の言語 日本語
キーワード 安吾 / 「枯淡の風格を排す」 / 「日本文化私観」 / 「堕落論」 / 「デカダン文学論」
抄録  坂口安吾は、太平洋戦争終戦直後に発表した「堕落論」で一躍有名となった。「堕落論」において安吾は、戦前および戦中の日本人の倫理・道徳が日本人の本音から逆説的に生み出されたものであると同時に、生み出された倫理・道徳が、逆に日本人自身の眼から自らの本音を隠蔽するのであって、日本文化というものが自己欺瞞に基づくものである、ということを論じた。このような発想自体は、戦後になって初めて安吾が考え出したものではなく、その萌芽は戦前に安吾が発表した作品にすでにみられるのである。本稿は、そのような作品として「枯淡の風格を排す」および「日本文化私観」を解釈するものである。