研究紀要 47 (2012) 請求記号 = [PB102 47]

著作者 安川 智子 ( YASUKAWA Tomoko )
タイトル ヴェッケルランJ. B. Weckerlinによる《町人貴族》(モリエール/リュリ)の伴奏づけと19世紀における「転調」の概念(1)
( Realization of “Le Bourgeois gentilhomme” (Molière / Lully) by J. B. Weckerlin and the Concept of "Modulation" in the 19th Century )
ページ 129-140
本文の言語 日本語
キーワード 転調 / ヴェッケルラン / 伴奏づけ / リュリ / ルソー / ラモー / 町人貴族 / フォーレ
抄録  ジャン=バティスト・ヴェッケルランは、19世紀末の30年間、パリ音楽院図書館司書として同時代の音楽界の重要な人物と交流すると共に、膨大な数の楽譜と文献に接した。本稿は彼が再演のために和声化・管弦楽化した17世紀のリュリのコメディ・バレ《町人貴族》を例にとり、彼が影響を受けた18世紀、19世紀の文献と関連付けながら、19世紀における「伴奏づけ」の実際とその意義を探る。19世紀における「伴奏づけ」には「通奏低音の実施」「聖歌伴奏」「民謡の伴奏づけ」などが挙げられるが、これらはいずれも「楽器上で規則にのっとり和声を実施する」という18世紀における「Accompagnement伴奏」の概念の延長にある。民謡収集や聖歌改革という時代の傾向を受けて変化した、「伴奏づけ」あるいは「和声づけ」というこの19世紀的習慣は、調と旋法、そして「転調Modulation」の概念の分化と再考を促すこととなる。