研究紀要 46 (2011)  請求記号 = [PB102 46]

著作者 佐藤 岳晶 ( SATO Takeaki )
タイトル グローバル化時代の伝統邦楽再考(その2) : 普遍/差異 音楽・言語の「抗争(ディフェラン)」
( Reconsidering Japanese traditional music in the age of globalization (2) : Universality / Difference : Differend between musics or between languages )
ページ 21-32
本文の言語 日本語
キーワード グローバリゼーション / 普遍 / 差異 / 音楽言語 / 抗争(ディフェラン)
抄録  グローバリゼーションによる社会変動と、それに相乗する西洋音楽の世界的浸透・ヘゲモニーの拡大を前に、音楽文化の多様性・多言語性について、あらためて省察する。「音楽」は、言葉や境界の壁を越えて理解されうる「普遍的な言語」と讃えられ、その越境性による移動と混淆は、文化の「多様性」を拡げていると言う。だが、グローバルな視野で様々な音楽を見渡し、それらの間に横たわる「差異」に耳をすますなら、そこからは異質な音楽世界・音楽言語の「抗争」が聴こえて来る。言語の多様性から人間の世界認識の拡がりを思考した多言語主義の言語学者たちの省察を参照しつつ、西洋音楽と地歌箏曲の比較を例に洞察される音楽言語の「差異」は、「音楽」や「普遍」の概念を、単一言語的世界観からの転換を促し、多言語性に根ざされた接触・交流が育むもう一つの「多様性」のもと、「抗争」を超えた共存の世界の探究・創造の地平を開示するであろう。