研究紀要 45 (2010)  請求記号 = [PB102 45]

著作者 佐藤 岳晶( Sato Takeaki )
タイトル グローバル化時代の伝統邦楽再考(その1) : 記憶・想起からの想像/創造
( Reconsidering Japanese traditional music in the age of globalization (1) : Imagination/Creation by remembering and recalling )
ページ 13-24
本文の言語 日本語
キーワード グローバリゼーション / ポストコロニアリズム / 記憶 / ディアスポラ / オルターナティヴ
抄録

グローバリゼーションにおける西洋音楽文化の世界的浸透に伴うローカル/マイナーな音楽文化の危機を前に、音楽文化総体の多言語性・多様性の回復・発展のための手がかりを、伝統邦楽の再考を通して模索する。西欧の強大なヘゲモニーや(新)植民地主義への抵抗/対抗において、「大きな物語」としての「近代」が描き出した歴史・世界観になかば埋れかけた記憶の回復・過去の想起を通して、代替的ヴィジョンを求める思想・表現が世界的に拡がっている。近代社会の中で生き続ける伝統邦楽における記憶・想起のあり方を、そのような潮流との節合の中で再検討を試みると同時に、節合により築かれうる記憶・想起のグローバルな星座=布置において、多言語性・多文化性に基づく代替的コスモポリタンな音楽文化世界/地図の獲得を目指す。ディアスポラ言説により理論を供給されつつ、伝統邦楽の「記憶」は、その想像/創造の有効な資源の一つたりえるだろう。