研究紀要 44 (2009)  請求記号 = [PB102 44]

著作者 末松 淑美( Suematsu Yoshimi )
タイトル 翻訳プロセスの中でsollenの意味を捉える
( Die Bedeutung von sollen im Übersetzungsprozess )
ページ 13-23
本文の言語 日本語
キーワード 翻訳学 / 話法の助動詞 / モダリティ / 意味の等価 / 日独対照研究
抄録 ドイツ語の話法の助動詞と対応する日本語表現とを比較するために、翻訳学における等価関係の基準を用いる。ヴェルナー・コラーが分類した5つの等価関係を引用して考察を加えた後、実際にsollenを含むドイツ語文の日本語への翻訳プロセスを追いながら、原文のどの意味を保存するために、訳文にどのような工夫が見られるかを観察する。目的は、〈sollenは日本語に訳しにくい〉という主観的な感覚を客観的に説明できる方法を探すことである。sollenは、主語以外の人の意志や法律・社会規範からの要求を暗に含意することが多く、そのニュアンスを日本語訳に保存するために、助動詞以外のさまざまな複合形式の表現が翻訳に使われる。特に内包的等価、語用論的等価、叙述か呼びかけかの言語機能的区別などが日本語表現に影響を与えた。まだ課題は多いが、翻訳における意味の等価関係の基準を軸に二言語間の差異を観察することの意義を述べる。