研究紀要 40 (2005)  請求記号 = [PB102 40]

著作者 加藤 一郎( Kato Ichiro )
タイトル リストの作品に於けるrubatoの指示によるルバートの技法
( The Technique of rubato with the Indications of 'rubato' in Liszt's Works )
ページ 19-30
本文の言語 日本語
キーワード リスト / ルバート / ピアノ技法 / ロマン派 / ショパン
抄録 本稿は19世紀にピアニスト、作曲家、指揮者、文筆家そして教育者として活躍したF.リストのルバートの技法について考察するものである。リストは様々なタイプのルバートを用いていたが、その内、本稿では彼がrubatoの指示によって意図したルバートの技法に焦点を当てる。このタイプのルバートは「テンポの表現に微妙な変化を与えながら、自由な朗唱をするのであり、ショパンのような埋合せシステム(急いだり、ためらったり)とは全然ちがう」(リスト)ものである。この技法は4つの時代に分けられ、初期のものはショパン等からの影響を示し、彼のヴィルトゥオーソ時代には一つの表現技法として発展した。しかし、ショパンの死後は、彼の簡潔な表現様式がリストに再来し、1853年以降はオーケストラ作品にこの技法を様式化している。本稿の考察によって、ロマン派音楽全体の表現様式にも理解を深めることができる。